IT顧問の仕事は社長や社員の想いを形にすること


こんにちは。

渡辺事務所でIT顧問・ITコンサルタントをしている渡辺達文です。

 

IT顧問とは

顧問税理士が企業の財務面をサポートし、顧問弁護士が企業の法務面をサポートするのと同じように、IT顧問は企業のIT面をサポートします。

社長や社員の方の想い「こういうことをしたい」というのを形にするサポートをします。

 

想いを形にする方法

渡辺事務所は、下のスライドのような形態でIT顧問をし、想いを形にしております。

 

中小企業のIT顧問に必要なスキル

IT顧問に必要なものは、上のスライドの「スキマ」を埋める能力です。(ITコンサル的な能力)

スキマを埋めるには、社長や社員の方の話を聞き、やりたいことや課題を整理したうえで、実際のやり方を考えて、実行していかなければなりません。

つまり、スキマを埋めるためには

  • コミュニケーション能力
  • 話をまとめる能力
  • 全体を俯瞰する能力
  • 提案力
  • 実行力

が必要です。

ただ、全てが完璧である必要はないと考えています。たとえば、吃音症や赤面症がある人でも、相手のことを考えながらしっかりコミュニケーションがとれていれば、問題はないと思います。(人柄や、プロとしての振る舞いの方が大切です)

 

技術の専門性について

SEとして特定の技術に秀でていることは望ましいことではありますが、必須ではありません。

反対に、特定の技術のみに秀でている場合、IT顧問には向かない可能性があります。

英語圏には「If all you have is a hammer, Everything looks like a nail」ということわざがあるようです。これを訳すと「もしハンマーしか持っていなければ、すべてが釘に見える」という意味になるかと思います。(微妙にニュアンスは違うかもしれませんが、だいたいこういう意味なハズです)

中小企業のIT顧問の場合、中小企業のあらゆる問題に対応する能力が必要です。

ITは幅広い概念です。課題の内容や企業の状況によりどのようなやり方をするのがベストなのかは変わってきます。

全て同じ方法で切り抜けるのは不可能です。ハンマーだけは武器として足りません。ハンマーだけでなく、ハサミ、ペンチ、ドリル、接着剤、メジャーなど色々な道具が必要です。

 

スキルを身に付けるには

  • ITコンサルをやったから中小企業のIT顧問になれるか?
  • ITコンサルの経験がないから中小企業のIT顧問はできないか?

どちらの問いに対しても私の答えは「NO」です。

 

ITコンサルをやってもIT顧問になれない理由

たとえば「大企業がクライアントで、自分はプロジェクトの中の1人」という状態から、いきなり独立してIT顧問になって中小企業に行った場合、やり方が違いすぎてついていけない可能性があります。

なんでもそろっている状態の大企業と、これから揃えていく過程の中小企業では、あるものも、やっていることも、やるべきことも異なります。

 

ITコンサルをやってなくてもIT顧問になれる理由

ITコンサルという肩書にならなくても、実際にITを使って中小企業等の運営(のサポート)をしたことがあれば、中小企業のIT顧問になれる可能性があります。

例えば、「平日日中はSEをやり、平日夜や土日は副業(複業)しながら小規模なNPOでプロボノをしている」という場合、

  • 本業でSEとしての技術を磨きながら
  • 事業主として事業に対する想いを持っており
  • 小規模な組織のITの支援もしている

という状態になります。

これはつまり

  • SE側の視点を持っている
  • 事業主の視点を持っている
  • 想いを形にする実践をしている

ということです。

IT顧問として「スキマ」を埋めることは、十分にできると考えます。

 

スキルを身に付ける方法のまとめ

「スキマ」を埋めるスキルを身に付ける方法は、実際に想いを形にする経験をするしかありません。

例えば、

  • 実際に自分で事業をやる
  • 小規模な組織の想いを形にする経験を積む

が実践的だと考えます。

ちなみに、資格に関しては、重要度を考えて時間を投資するのが良いと思います。実務で使わないようなことを勉強するのであれば、単純に時間とお金の浪費です。なので、ITのマニアックな資格を勉強するより、NPOでプロボノをした経験の方が役に立つと私は考えています。